スーパー店員の憂鬱・スーパーがカイゼンを導入しちゃったらこうなるんだぞ編

意味も無く導入され、のちに超ファック事項として問題となった「カイゼン」について書こうと思う。

とある店舗をモデルとして1日の労働の流れを作り横展開していくというもの。

しかし、モデル店舗選定の時点で大問題となっていた。

なんと、売上が低く生産性も低く利益も出ていない小型店を選んだのである。

小型店の責任者といえば有能ではない人たちによって構成されている。こんなところにカイゼンチームが来るという事は、現場には何も文句を言わせないためなのである。つまりやりたい放題なのだ。言い返せるほど実績・権力を持った人は誰もいない。

で、どうなったかというと、1年目は効果ゼロという結果を出してしまったのだ。

カイゼンチームも手探りでやっていたとしても効果ゼロというのは馬鹿どもの集まりというのを露呈してしまっていた。

で、2年目。ちょっと効果出てきた。

3年目、完成(笑)

さて、いよいよ横展開(笑)である。言わなくてもわかるだろうけど、店舗によって大きさも違えば人員も違う、バックヤードの形・広さも違う、売上の高い時間帯も違う、開店・閉店時間も違う。違う事だらけなのである。カイゼンマニュアルを見て最初から失笑。なんと出社時間は朝7時半と決められていたのである。開店の早い店・朝人員がいない店・朝売上の高い店・大型店はまず不可能

朝7時25分にタイムカードを切ってから、まずはコレ、次はコレといった感じに分刻みで行動スケジュールは組まれている。最終的に開店までに売り場をこれだけ埋めるとの内容。大問題なのは全て小型店基準で作ってあることだ。

小型店は納品も少なければ売り場も狭い、商品も少なくていいしそもそもやること自体が少ない。大型店等に対し全く同じことしろというのは脳味噌あんのかよ?ってレベルなのである。当然、無視する店舗続出。自分たちの店は自分たちのやり方でやるのが一番いいと解っているからだ。

更に問題は発生、全店カイゼンが出来ているかどうか審査が始まったのである。

どの店舗も、審査日前日は夜遅くまで残って掃除&準備(サビ残当日は朝早く来て準備(サビ残)&7時25分に来ましたよと装ってタイムカードを切る。という対応をしていた。それだけは横展開100%だったという皮肉。

合格じゃない場合は翌月やり直し。必死にマニュアルを覚えてその通りに実行する責任者たち。そして、合格したらマニュアルを無視して以前のやり方に戻すというのも横展開100%であった。お笑いである。こうしてカイゼン(笑)は広まっていった。

更に問題は発生、MHが大幅に削減されたのである。

カイゼンが出来ているならMHは少なくていいでしょ?というのを建前として人件費を抑えて利益に還るって上の考え。

MHとは労働時間の事、1ケ月180時間働いたら180MHってこと。それを削減してくるのである。当然、シフトは滅茶苦茶になる。今まで午前5人の所を4人にしたり、責任者はサービス残業・休日出勤を前提としたシフトが出来上がることとなる。

もちろん、店長は見て見ぬふり

その結果的、増収・増益すごいでしょ!と社長は言うのだけど、そんなの当たり前である。利益を出すにはどうしたらいいか?そうだ人件費削ってやれ。小学生でも解る図式である。

毎月、勤務実績表を提出するのだけど、異様に少ない残業異様に多い休日が記されたものが集められることとなった。

ハイハイ、すごい結果でましたねーカイゼンチーム凄い!チームを作った俺たち(上の連中)凄い!バッカじゃねーの!!

で、結局モデル店舗はどうなったかと言うと、全ての面で改善されたものの、生産性は平均以下なままというおそまつなもの。激しくどうでもいいことから誰もその店舗の話をする人間はいなかったけど。