日本記録を軽く上回る俊足だらけの野球選手。特に高校生はなぜそこまで速いのか。5秒台がじゃんじゃん出る理由を考えてみる。
小学校でも中学校でも高校でも大学でも、体育の授業は4月の運動能力テストから始まる。この4月の段階では野球部の50mは至って普通のレベルである。野球部の大多数はフライングをするので多少頭に来るものの、それでも長距離選手である俺に勝てるのが2、3人くらいな状態。
高校1年時で速いやつで6秒4。遅いやつで7秒以上かかってた。野球部員は1学年で20人くらいと結構多かった。
夏を迎えるころ、野球部連中の50mは5秒台に突入することとなる。
そして年が明け、また春になって運動能力テストをすると6秒中盤以降になる。
また夏が来ると5秒台に入る。この繰り返しである。
そこから考えられることは、
野球をやる人間は夏になると運動能力が異常に高まる。
ということである。そう考えると、何故か夏の地区大会から50m5秒台選手が頻繁に出現するのかも説明が付く。
そして、
春になると著しく運動能力が落ちる。
これはおそらく、全員が重度の花粉症にかかっているのだろう。そして、夏から冬にかけての練習のダメージが春になって一気に体に襲いかかってくるのだと考えられる。
打撲・捻挫は当たり前。脱臼・骨折、人によっては複雑骨折で全治3カ月レベルのダメージをかかえるのである。
花粉症で前が見えない・呼吸が辛い・集中出来ないといった症状に加え、入院レベルの怪我をしているのである。
そう考えると、春になると50mのタイムが1秒前後遅くなるというのも納得がいく。
また、冬には既に症状が出ているとも考えられる。
体育学部受験の野球部3人にスタブロの使い方やピストルでのスタート練習をしたことがある。それぞれ、5秒8、5秒9、6秒0という俊足だ。
3人ほどではないが、運動は多少続けていた。アップを一緒にやってからスターターというのを毎日続けていた。
しばらく経ったのち、1回だけ一緒に走ったが、その時あっさりと勝ってしまった。
俺の当時の50mのタイムは6秒5である。逆に5mくらい離されて負けないとおかしい。
ここから考えられることは、
冬の時点で運動能力の低下が始まっている。
ということである。
そして、春を迎えるころには、体調は最悪・絶不調・バッドステータスの3拍子が揃い、一気に運動能力が落ちるのである。
(まぁ、自称5秒8のやつは引退直後から吸ってたタバコが原因かもしれんが。)
これが野球選手という特殊なスポーツマンの実態なのだ。
春から夏になるだけで、50mのタイムが1秒前後速くなる。
おそらく、野球という特殊な環境に身を置くことにより、夏限定で細胞が活性化されるのであろう。
その効果は足の速さだけに留まらず、MAX135kmの投手はMAX150kmを投げられるようになり、飛距離100mの打者は130mに伸び、1塁への到達時間は1秒前後速くなったりと一気に何段階ものレベルアップとなる。夏が来るだけでこれである。死にかけのサイヤ人が仙豆を食べ一気に強くなったと解釈するのが早い。
そうなると、おしくも地区で負けてしまった場合は、即他の運動部に所属すべきである。
陸上部なら短距離でインターハイに行けるだろうし、テニス部に入ればサーブで1撃で相手を再起不能(ホームラン)に出来る。バレー部に入ればスパイクで死人が出るレベルであろう。
さすが野球部。
つくづく野球ってすげえな。
また、別の方向で考えてみると、
もしかすると、野球部のグラウンドの秘めたる効果が発動しているのかもしれない。
その場にいるだけでレベルが30上がるとかかもしれない。
しかし、何故か試合となると状況は異なってくる。
基本的に、速すぎる足を持ってすれば、バントはセーフだし、盗塁も全て成功するはずである。その気になれば、バントだけでコールドゲームに出来るはず。なぜそれが起きないのか。
答えは、グラウンドの仕様の違いが出ている。のである。
自分の学校の野球部グラウンドには何かしらのオーラが渦巻いており、それが選手に力を与えていると考えられる。
50mを計ろうとすれば、風は追い風20mが発生し、土はタータンより硬く反動が大きくなり、スパイクやユニフォームの重さは0グラムになり、と凄まじく速く走れるようにグラウンド自体が選手にパワーを与えているのだ。
なので他のグラウンドに行くとパワーアップイベントが無いから能力低下が起きる。50mも1秒前後遅くなる。球速も飛距離も元通りだ。これでは勝てるものも勝てない。
なんたる内弁慶。
目標は甲子園と言っているのなら、マリンスタジアムに毎日通う事から始めた方がいいかもしれない。